「東京は夜の七時」
ピチカート・ファイヴの曲のタイトルだ。オシャレでカッコよくて好きな歌なんだけど、ひとつ言いたい。東京が夜の七時なら、佐賀県有田町も、長崎県波佐見町も、日本全国もれなく夜の七時なんですけど!
「東京リベンジャーズ」という映画もあったが、人口や経済だけでなく、歌やドラマのタイトルも東京一極集中って気がするなぁ。
というわけで、はじめまして。
株式会社スチームシップのキャプテンCEO 藤山雷太です。
このページにいきなり辿り着いた方は、ぜひスチームシップのHPをご覧ください。サイトの中で「地域」という言葉をたくさん目にされると思います。
■地域の宝探しカンパニー
■地域から、未来を変えていく。
■地域 “だから” できる。
「地域」は長崎・佐賀を拠点にしているスチームシップの大事なキーワード。ただ、そういう僕も大学を卒業後、ふるさとを離れ、東京で働いていた時期があります。
学生の頃は、なんとなく「就職は東京で」と思っていたんですよね。まぁ、キラキラしたイメージあるし。お金を稼げそうだし。大学の友人たちも「なんとなく東京に行く」って人は多かった気がします。
僕は新卒で株式会社ディー・エヌ・エーに入社。数年間お世話になったあと、東京でアフィリエイト広告に携わる「ビッグサンダー株式会社」を立ち上げたこともあります。
名前が「雷太」だからビッグサンダー(今思うとゾッとするほど安直なネーミング!)でもその事業もラッキーが重なってうまくいってたんです。
ではなぜ東京から地元に帰ってきたのか?
主な理由は2つあって。
ひとつめは、ガイアの夜明け事変。
それまでTV番組「ガイアの夜明け」は経済界のトップオブトップみたいな人を紹介していました。でもあるとき「嬉野温泉旅館の若旦那が地元の活性化を目指す」みたいな放送回があって。
嬉野温泉は佐賀県(僕のふるさと)だし、なによりその若旦那が当時25歳くらいで「自分より年下の若者が、地域でがんばって、ガイアの夜明けで紹介されてる!」と衝撃を受けたんです。
もうひとつは、コロプラ事変。
「コロプラ」とはGPSを利用した位置情報ゲーム。「ポケモンGO」の前身みたいなゲームです。東京でコロプラ社の方とご縁があり、僕の親戚にあたる有田焼の窯元「しん窯」とコラボしたいという話になったんです。
有田町は「有田陶器市」のときは全国から人が集まるんですが、ふだんはひっそりとしています。ところが。コラボがスタートした直後からコロプラユーザーがガラケー片手に(当時はガラケー全盛期)有田町に来るわ来るわ。しん窯で買い物をするとゲーム内のレアアイテムがもらえるので、焼き物も売れる売れる。
そのとき僕は肌で感じたんです。
「やりかた次第で地域は活性化できる!」と。
しん窯の社員さんは大喜び。利用客がふえたタクシー運転手さんも大喜び。とにかくみんな大喜びで、話をつないだだけの僕にもすごく感謝してくれました。
みんなが喜ぶ顔を見て、本当にうれしく思いました。同時に、自分の仕事を見つめ直すきっかけになりました。「東京で今やっている仕事は、人の喜ぶ顔が直接見えにくいな…」と。
2つの事変を経たのち、僕は東京をはなれ、ふるさと佐賀に帰りました。帰ってきて「ふるさとメッチャいいじゃん!」と再認識しました。おいしいものたくさんあるし、いい景色の中で釣りできるし、人付き合いも自然にできるし。
地域で、人に喜ばれる仕事がしたい。
地域だからできることがあるはずだ。
そう思いました。
でも!
でも!です。
まだまだ地域の若者は、ふるさとを離れていきます。優秀な人材が、どんどん都市部に流出していく。本当にそれでいいの?って思ってしまう。
スチームシップ本社のある長崎県は、若者が地元を離れる率がめちゃめちゃ高い。長崎市は日本人の転出超過(来る人より、出ていく人が多いこと)が何年も全国ワースト1位とか2位なんです。
ヤバすぎるでしょ。
良くない意味の「ヤバイ」ですよ、これ。
もしかしたら若者の多くは、僕のように「働く場所」を求めてふるさとを離れているのかもしれない。もしそうなら、おもしろくて、やりがいがあって、いろいろチャレンジできる仕事(企業)があれば、若者は地元に残ってくれるはず!
地域の優秀な人材が、地域で活躍してほしい。そう強く思います。そして現在スチームシップでは優秀な115名(※)が地域の良さを感じながら働いてくれています。
会社を立ち上げて、もうすぐまる5年。
今のスチームシップはヤバイです。
良い意味の「ヤバイ」ですよ、これ。
※2022年4月入社クルーを含む